イソトレチノインって副作用が強いって聞いて、飲むのが怖い…
イソトレチノインの危険性を知りたい…
皮膚科でニキビ治療薬「イソトレチノイン(通称アキュテイン)」の服用を勧められたものの、知恵袋やSNSで「イソトレチノイン 怖い」という投稿を見かけて不安になっていませんか?
実際のところ、イソトレチノインは副作用に注意が必要な薬ですが、適切に使えば難治性ニキビに非常に高い効果を発揮する治療薬です。
ただし、日本では市販されておらず、医師の処方箋がないと入手できないため、使用には専門医の指導が必須となります。
本記事ではイソトレチノインの効果や服用方法、副作用と注意点をわかりやすく解説し、「イソトレチノイン 怖い」という疑問にお答えします。
さらに安全に治療を受ける方法や、辞めた後のポイント、代替のニキビ治療法についても詳しくご紹介します。
不安を解消し、正しい情報に基づいて治療を選択できるよう、ぜひ最後までお読みください。

QBCコラムではイソトレチノインの通販におすすめオンライン診療クリニックを紹介しています。入手先の参考にしてください。


イソトレチノインや他の美容内服薬の入手先をお探しの方は、美容内服セットが安いオンライン診療の記事をご覧ください。




QB CLINIC 院長
鍵野 攻允(カギノ コウジ)
若くして脂肪吸引・豊胸専門美容クリニックの院長に抜擢され、現在も日々多くの手術をこなす現役ドクター。 慶應義塾大学病院をはじめ、複数の院での勤務経験を活かし、患者様のお悩みによって、オーダーメイドに治療を提供しております。
経歴・詳細
- 2021年3月日本医科大学医学部 卒業
- 2021年4月慶應義塾大学病院 入職
- 2023年5月QUIC BEAUTY CLINIC 院長
- 2024年12月一般社団法人医鍵会QUIC BEAUTY CLINIC院長
- アムルーズ美容外科
- 東京ブランシェクリニック
- BBクリニック銀座
- 藤ナチュレ美容クリニック
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 日本坑加齢医学会(JAAM) 正会員
- vaser認定医
イソトレチノインとは?


イソトレチノインは、ビタミンA誘導体(レチノイド)の一種で、重症ニキビ(嚢胞性ニキビ等)に対して使用される経口治療薬です。
皮脂腺の働きや角質のターンオーバー、炎症反応などに幅広く作用し、他の治療で効果がない難治性のニキビを劇的に改善することから「ニキビ治療の最終手段」とも呼ばれています。



一方で胎児への影響(催奇形性)など重大な副作用リスクがあるため、取り扱いには厳しい制限がある薬でもあります。
イソトレチノインは日本では現在未承認で市販はされておらず、医師の判断によって輸入処方される自費診療薬として用いられています。
海外ではイソトレチノインは1980年代から使用されており、標準治療で効果がない場合に推奨される薬として位置づけられています。
イソトレチノインの効果
イソトレチノインの主な効果は以下の通りです。
効果 | 詳細 |
---|---|
皮脂の分泌抑制 | ・皮脂腺を縮小させて皮脂の産生量を大幅に減少 ・アクネ菌の栄養源である皮脂を減らすことで菌の増殖を抑制 ・新たなニキビの発生を予防 ・毛穴の開きの改善効果も期待 |
角質細胞の正常化 (面皰の形成抑制) | ・過剰な角質の肥厚(角化異常)を正常化 ・毛穴詰まり(コメド)の形成を防止 ・白ニキビ・黒ニキビの初期段階での抑制 ・毛穴の詰まりを根本から改善 |
抗炎症作用 | ・赤ニキビ・黄ニキビの炎症反応を鎮静 ・アクネ菌に対する免疫反応を調整 ・赤みや腫れを抑制 ・ニキビ跡への効果も期待される |
こうした作用により、イソトレチノインは繰り返す頑固なニキビを根本から治療します。



実際、イソトレチノインを服用した患者の90%以上で症状の改善が見られ、適切な量と期間を守れば治療後の再発率も30%以下と報告されています。
ただし既にできてしまったニキビ跡(クレーター状の凹みなど)には直接の効果は期待できません。
イソトレチノインは新たなニキビの発生を防ぐことで、将来的なニキビ跡を作らせない効果が期待できる治療と考えられています。
イソトレチノインの服薬方法
イソトレチノインの服薬方法は、必ず医師の指示に従って行います。
1日1~2回、食後に服用するのが基本で、空腹時では吸収率が低下するため食後服用が原則です。
開始用量は1日20mg程度からスタートし、体重に応じて調整します。



目標は体重1kgあたり合計120mg以上の累積投与量で、例えば体重50kgなら約6,000mgが目安となります。
治療期間は4~10か月で、多くは6か月程度を1クールとして完了します。
効果は4~6か月で明らかに現れることが多いです。
イソトレチノインの副作用と注意点
イソトレチノインは効果が非常に高い反面、副作用も多岐にわたります。
イソトレチノインの主な副作用と注意点は次の通りです。
副作用 | 詳細 |
---|---|
皮膚・粘膜の乾燥 | ・ほぼ全員に現れる最も一般的な副作用 ・唇のひび割れや皮むけ ・鼻血、ドライアイ、肌のカサつき・かゆみ ・保湿(ワセリンや保湿クリームの頻回塗布)で対処可能 |
肝機能・脂質代謝への影響 | ・肝酵素の上昇(肝機能障害) ・コレステロール・中性脂肪値の上昇 ・治療前・治療中の定期的な血液検査が必要 ・肝疾患や脂質異常症の方は事前申告が必要 |
精神症状(抑うつ・不安等) | ・うつ症状、不安感、幻覚・幻聴の可能性 ・自殺念慮や自己傷害行為のリスク ・FDA(米食品医薬品局)が警告を発出 ・気分の落ち込みやイライラの注意深い観察が必要 |
催奇形性(胎児への重大な影響) | ・妊娠中の服用は絶対禁止 ・短期間・少量でも胎児に重篤な先天異常を引き起こす ・治療中~中止後6か月間の避妊徹底が必要 ・治療期間中と終了後の献血も禁止 |
その他の副作用 | ・頭痛、吐き気、筋肉痛・関節痛 ・視力の一時的な低下(夜間視力障害) ・良性頭蓋内圧亢進症のリスク ・テトラサイクリン系抗生物質との併用禁止 |
このように副作用は多いですが、これらのリスクを正しく理解し医師の管理下で対処すれば、イソトレチノインは非常に有用な治療薬です。


イソトレチノインはなぜ怖い?


副作用が多いイソトレチノインを飲むのが怖い…
と感じるのは当然のことです。



実際、ネットの知恵袋などでも「イソトレチノイン 怖い」という質問や体験談を目にしますよね。
その大きな理由は、前述した催奇形性リスクの高さや精神面への影響など、適切に使わなければ危険を伴う可能性があることにあります。
しかし、「怖い」と過度に心配するあまり有効な治療を避けてしまうのも問題です。
ここでは「イソトレチノイン 怖い」と言われるポイントごとに詳しく解説し、正しい理解と安全な向き合い方をご紹介します。
イソトレチノインは怖い①
イソトレチノインを服用できない人
まずイソトレチノインを絶対に服用できない人を把握しておきましょう。
以下に該当する場合は、イソトレチノインを使用できません。
- 妊娠中の女性、妊娠している可能性のある女性(服用中~中止後少なくとも1か月〔国内では6か月推奨〕は避妊が必要)
- 授乳中の女性(母乳を通じて乳児に移行する恐れがあるため)
- 重い肝疾患のある人(代謝・排泄が十分できず副作用リスクが高まるため)
- 精神疾患のある人(うつ病等を抱えている場合、症状悪化の可能性があるため慎重投与)
- 骨の成長過程にある未成年(思春期前)の人(骨の成長板への影響が懸念されるため)
特に妊娠中・授乳中は厳禁で、治療開始前に必ず妊娠検査を行います。
また女性は治療中と中止後も一定期間の避妊徹底が求められます。
以上に当てはまる場合は、イソトレチノイン以外の治療法を検討しましょう。



逆に言えば、これらに該当しない患者さんであれば医師の管理下で安心して服用できる可能性が高いということです。
不安な場合は主治医に自分が服用適応かどうか確認してみてください。
イソトレチノインは怖い②
イソトレチノインは辞めた後どうなる?
イソトレチノインを辞めた後にニキビがぶり返すのでは?
という不安も多く寄せられます。
確かに治療終了後の再発可能性はゼロではありませんが、5~6か月の治療完了後は3~5年間ニキビができにくい状態が続くことが分かっています。
体重1kgあたり120mg以上の累積投与量を達成すると辞めた後の再発率が低くなります。
再発する場合も約30%以下で、治療前より症状は大幅に軽減されています。



副作用については服用中止後に徐々に消失し、1か月で体内から排泄されるため長期的な心配はありません。
イソトレチノインは怖い③
イソトレチノインの安全な使用方法
最後に、イソトレチノインを安全に使うためのポイントを整理します。
副作用リスクを最小限に抑えつつ高い効果を得るために、以下の点に注意しましょう。
安全使用のポイント | 詳細 |
---|---|
専門医の診察・処方のもとで使用 | ・市販購入不可、医師の管理下でのみ使用可能 ・治療前の肝機能・脂質・妊娠検査の実施 ・定期的な通院と血液検査で状態チェック ・自己判断での用量変更や中断は厳禁 |
妊娠・授乳の絶対回避 | ・妊娠中の服用は厳禁 ・治療開始前の妊娠検査確認 ・服用中~中止後6か月間の確実な避妊 ・治療期間中と終了後の献血禁止 |
副作用症状への対処・予防 | ・保湿ケア(ワセリン・リップクリーム)の徹底 ・ドライアイには人工涙液の点眼 ・PC・スマホ使用を控えて目を休める ・頭痛時は水分補給と睡眠休息を重視 |
併用NGの薬・サプリに注意 | ・ビタミンA含有サプリメントとの併用禁止 ・マルチビタミン剤や美容ドリンクの成分確認 ・テトラサイクリン系抗生物質との併用厳禁 ・服用中の薬は事前に医師へ申告 |
心身の変化を見逃さない | ・メンタル面の不調(憂うつ感、不眠、イライラ)の注意 ・視力異常・酷い頭痛・激しい筋肉痛の早期発見 ・些細な症状でも医療機関に相談 ・家族による様子の観察と早期受診の促し |
以上を守れば、イソトレチノイン治療のリスクは大きく下げられます。



実際、適切な管理のもとで多くの患者さんがイソトレチノインによる治療を完遂し、ニキビの悩みから解放されています。
「イソトレチノインは怖い」と尻込みするより、正しい方法で安全に使うことで得られるメリットの方が大きい薬なのです。


イソトレチノインは怖い?に関するよくある質問
最後に、「イソトレチノイン 怖い」と感じる方が抱きがちな疑問についてQ&A形式でお答えします。
専門医の知見やエビデンスに基づいた回答ですので、不安解消の参考にしてください。
Q1. イソトレチノインは危険な薬ですか?
適切に使用すれば決して”危険なだけの薬”ではありません。
イソトレチノインは確かに強力な薬剤で、副作用管理を誤れば危険を伴い得る薬です。



特に胎児への催奇形性リスクがあるため「危険な薬」というイメージが独り歩きしています。
しかし、これはあくまで”使い方を誤った場合”の危険性です。
専門医の厳重な管理下で用いれば安心して服用でき、高い治療効果が得られます。
実際、約40年前から世界中で使われ続けており、安全使用のためのガイドラインも確立されています。


Q2. イソトレチノインの副作用が出たらどうしたら良いですか?
副作用の内容に応じて落ち着いて対処し、必要なら主治医に相談しましょう。
イソトレチノインの副作用は多くは対症療法で対処可能です。



皮膚や唇の乾燥なら保湿を徹底する、目の乾燥には人工涙液を点眼する、軽い頭痛なら水分補給と休息をとるといった具合です。
症状が重い場合や判断がつかない場合は、ためらわず処方医に連絡しましょう。



特に強い頭痛・吐き気が続く、視界がぼやける、抑うつ感がひどくなる等は放置せずすぐ受診が必要です。
医師は状況に応じて用量の減量、一時休薬など適切な措置を講じてくれます。
Q3. イソトレチノインで精神的な副作用が出るのは本当ですか?
はい、ごくまれに抑うつ状態など精神面の副作用が報告されていますが、全員に起こるものではありません。
実際、服用中にうつ病様症状や不安、不眠などが出現したケース報告があり、FDAも注意喚起を行っています。
ただし、現時点で明確に因果関係が証明されているわけではありません。
ニキビ自体がメンタルに与える影響も大きく、症状の改善によって精神状態がむしろ向上したというデータもあります。
とはいえ「可能性がゼロではない副作用」として認識しておくことは重要です。



服用中は気分や行動の変化に注意し、異変を感じたらすぐ医師に相談してください。
Q4. イソトレチノインを飲んだらニキビは完全に治りますか?
多くの場合長期間ニキビができにくい状態が得られますが、人によっては再発することもあります。
イソトレチノインは高い寛解率を誇る薬で、服用患者の90%以上でニキビの著明な改善が見られます。
適切な期間・量を完了した場合は長期にわたり効果が持続し、1回の治療でニキビがほぼ完治したような状態になる人も少なくありません。
しかし、「完全に一生再発しない」ことを保証するものではありません。
約3割程度には数年以内に多少の再発が見られますが、治療前ほど重症ではなく、軽度なものがほとんどです。
体質的に効かない人は1~2%程度と稀です。
Q5. イソトレチノインは怖いので他のニキビ治療はありますか?
はい、重症度に応じて他の治療法も多数あります。
ただし、それぞれ一長一短があり、イソトレチノインほど効果的ではない場合もあります。
イソトレチノイン以外でニキビ治療に用いられる主な方法は以下の通りです。
外用薬による治療 | 軽症~中等症のニキビには塗り薬が基本 過酸化ベンゾイル外用剤(殺菌作用と角質剥離作用)、レチノイド外用剤(ディフェリン®など毛穴詰まり改善)、抗菌薬の外用などを組み合わせて使用 肌への負担は少ないが、効果が出るまでに時間がかかり、重症ニキビには不十分なことがある |
---|---|
内服抗生物質による治療 | 中等症以上の炎症性ニキビではミノサイクリンやドキシサイクリンなどの抗生物質の内服 アクネ菌を抑えることで一時的に症状を改善できるが、長期連用は耐性菌の問題や効果減弱があり、根本治療にはなりにくい 服用を止めると再発しやすい |
ホルモン療法(女性の場合) | ホルモンバランスが原因と考えられる場合、低用量ピル(経口避妊薬)や抗アンドロゲン剤(スピロノラクトンなど)を用いる 男性ホルモンの働きを抑えて皮脂分泌を減らし、特にアゴ周りの大人ニキビに有効 ピルは血栓症リスクなど注意も必要で、全員に使える治療ではない |
その他の治療 | ケミカルピーリング(フルーツ酸などで角質を剥がす) 光治療・レーザー治療(赤色光やフォトフェイシャルで炎症を鎮める) 漢方薬(十味敗毒湯や清上防風湯など体質改善を図る) 重症ニキビには補助的な位置づけだが、肌質改善や維持療法として組み合わせることがある |
以上のように代替治療はいくつも存在し、実際、多くの患者さんはまずこれら通常治療から開始します。
そして「抗生剤や塗り薬では効果が不十分だった難治性ニキビ」に対して検討される最後の切り札がイソトレチノインという位置付けです。
もしイソトレチノインが怖くて踏み切れないという場合、まずは上記の治療をもう一度見直してみるのも一つの手でしょう。
ただし、重症の嚢胞性ニキビなどではこれらで効果が出ないケースも多く、その場合はイソトレチノイン以外に根本的な解決策はないのが現状です。
「怖いから」と敬遠する気持ちは理解できますが、適応となる重症ニキビ患者さんにとって、イソトレチノインは大きな恩恵をもたらす可能性のある治療です。
他の治療と迷っている場合は、ぜひ皮膚科専門医に率直な気持ちを相談し、メリット・デメリットを踏まえた上で最善の選択をしてください。


イソトレチノインは怖い?まとめ
イソトレチノインは「怖い」と言われることもありますが、それは強力な効果に伴う副作用リスクへの注意喚起がゆえです。
正しく理解し適切に対処すれば、決して必要以上に怖がる必要はありません。
ポイントは専門医の指導のもとで安全管理を徹底することです。
妊娠回避など厳守すべきルールを守り、定期的な検査と体調変化への注意を怠らなければ、イソトレチノインは長年悩んだニキビを劇的に改善する頼もしい味方となります。
大切なのは独りで悩まず専門医と二人三脚で治療に取り組むことです。
ぜひ信頼できる皮膚科医に相談し、適切なサポートのもと「ニキビのない肌」を目指してください。


QB CLINIC
編集部
経歴・詳細
総合病院で看護師として働いた後、美容医療の世界へ。現在はオンライン診療専門のQuic Beauty Clinicで患者さんと向き合いながら、正しい美容医療の情報をお伝えしています。
コメント