シミや肝斑の治療でトラネキサム酸を飲み始めたものの、「本当に効果があるのかな?」「いつになったら薄くなるの?」と不安に感じていませんか?
特に美容目的で服用している場合、即効性を期待してしまいがちですが、トラネキサム酸は継続してこそ効果を発揮する薬です。
結論から申し上げると、トラネキサム酸は適切に服用すれば4〜8週間で効果を感じることが多く、安全性も高い薬です。
ただし、長期連用時の血栓症リスクや服用をやめると元に戻る可能性があるため、正しい知識を持って服用することが大切です。

QBCコラムでは美容内服セットが安い通販やトラネキサム酸の市販おすすめについて紹介しています。美肌治療を検討している方はこちらもご覧ください。






QB CLINIC 院長
鍵野 攻允(カギノ コウジ)
若くして脂肪吸引・豊胸専門美容クリニックの院長に抜擢され、現在も日々多くの手術をこなす現役ドクター。 慶應義塾大学病院をはじめ、複数の院での勤務経験を活かし、患者様のお悩みによって、オーダーメイドに治療を提供しております。
経歴・詳細
- 2021年3月日本医科大学医学部 卒業
- 2021年4月慶應義塾大学病院 入職
- 2023年5月QUIC BEAUTY CLINIC 院長
- 2024年12月一般社団法人医鍵会QUIC BEAUTY CLINIC院長
- アムルーズ美容外科
- 東京ブランシェクリニック
- BBクリニック銀座
- 藤ナチュレ美容クリニック
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 日本坑加齢医学会(JAAM) 正会員
- vaser認定医
トラネキサム酸の効果が出るまでの期間
トラネキサム酸の効果発現には時間がかかります。
美容目的で服用している場合は特に、早く変化を実感したいものですが、焦りは禁物です。



まずは一般的な効果発現までの目安を確認しましょう。
トラネキサム酸の効果が出るまでの目安は4〜8週間
トラネキサム酸の効果が出るまでの期間は、一般的に4〜8週間(約1〜2か月)とされています。
皮膚科医の臨床経験でも、早い方で1ヶ月頃から効果を実感し、平均すると2〜3ヶ月程度で変化を感じるケースが多いとされています。
効果の現れ方に個人差があるのは、肌のターンオーバー周期(約28日)が関係しているためです。
肌の細胞が生まれ変わるサイクルを考えると、数週間では変化が見えにくく、最低でも1ヶ月以上の継続が必要になります。
「まだ効果が出ない」と焦って途中でやめてしまうと、せっかくの治療効果を実感できないまま終わってしまう可能性があります。
期間 | 期待できる変化 | 注意点 |
---|---|---|
1週間以内 | 変化はほとんど見られない | 即効性を期待しない |
2〜4週間 | わずかな変化を感じる人も | 個人差が大きい時期 |
4〜8週間 | 多くの人が効果を実感 | 標準的な効果発現期間 |
2〜3ヶ月 | より明確な改善を実感 | 継続が重要な時期 |
トラネキサム酸は効果が出るまで飲み続けて大丈夫?
「2ヶ月近く飲み続けても体に影響はないの?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
通常の用量であれば、効果が出るまで継続服用しても問題ありません。
ただし、市販の肝斑治療薬「トランシーノII」などは連続服用8週間までとされています。
これは8週間以上続けた場合の有効性・安全性データが十分でないためです。
効果が出るまでの1〜2ヶ月程度は基本的に飲み続けて問題ありませんが、2ヶ月を超えて長期にわたって服用する場合は、自己判断で続けずに必ず医師と相談することが大切です。
服用期間 | 安全性 | 推奨される対応 |
---|---|---|
1〜2ヶ月 | 基本的に安全 | 医師の指示通り継続 |
2〜8週間(市販薬) | 安全 | トランシーノIIなどの推奨期間 |
2ヶ月以上 | 要注意 | 医師との相談が必要 |
半年〜1年 | 医師管理下で可能 | 定期的な経過観察が必要 |
トラネキサム酸の効果



トラネキサム酸は美白目的で注目される一方、もともとは止血剤として開発された薬です。
その幅広い作用について詳しく見ていきましょう。
また、トラネキサム酸250mgは何に効くのかについて詳しく解説した記事も参考にしてください。
トラネキサム酸の効果① シミ・肝斑に関する効果
トラネキサム酸の最も注目される美容効果は、シミや肝斑を薄くする美白作用です。
肝斑とは、頬骨あたりに左右対称に現れる茶色いシミで、30代以降の女性によく見られます。
現在、肝斑治療においてトラネキサム酸の内服は標準的な治療法の一つとなっています。
トラネキサム酸はシミの元となるメラニン生成を初期段階で抑制します。
ただし「完全にシミが消える」わけではなく、あくまで「薄くする・悪化を防ぐ」ことが目標になります。
肝斑の特徴 | 詳細 |
---|---|
発症年齢 | 30代以降(特に30〜40代) |
性別 | 女性に多い |
部位 | 頬骨、額、上唇部など |
形状 | 左右対称、境界不明瞭 |
原因 | 女性ホルモン、紫外線、摩擦 |
トラネキサム酸の効果② 美肌に関する効果
トラネキサム酸は肝斑以外にも、肌全体を美しく整える効果が期待できる美肌成分です。



美白有効成分として2002年に承認されて以来、多くの美白化粧品に配合されてきました。
メラニン抑制による肌トーンアップ効果と抗炎症作用による肌コンディション改善効果の両面を持ちます。
特定のシミだけでなく肌全体のくすみを改善し、明るい肌へと導く効果があります。
また、ニキビ跡や虫刺され跡など炎症後に残るシミ(色素沈着)の改善や、肌の赤み(赤ら顔)に対しても有効とされています。



市販されている美白化粧水・クリームにも広く配合されており、外用の場合は即効性こそありませんが、継続使用でじわじわと効果を発揮し、副作用が少ないのがメリットです。
効果の種類 | 具体的な改善内容 | 期待できる変化 |
---|---|---|
トーンアップ | 肌全体のくすみ改善 | ワントーン明るい肌 |
色ムラ改善 | 不均一な肌色の調整 | 均一で美しい肌色 |
色素沈着ケア | ニキビ跡、虫刺され跡 | 茶色いシミの軽減 |
赤み改善 | 炎症による赤ら顔 | 落ち着いた肌色 |
予防効果 | 新たなシミ・そばかす | 将来的な色素沈着予防 |
トラネキサム酸の効果③ その他止血などに関する効果



トラネキサム酸本来の効能は「止血剤」としての効果です。
1960年代の開発当初から出血を止める薬として幅広く使われてきました。
トラネキサム酸は、血液を固める酵素(フィブリン)を分解する「プラスミン」を抑制します。
血の塊が溶けないようにすることで出血を止める効果を発揮するのです。
医療現場では手術中・手術後の出血コントロール、外傷時の止血、産後出血の軽減、月経過多の治療などに用いられます。
このようにトラネキサム酸は止血剤でありながら抗炎症剤としても位置づけられるユニークな薬です。
疾患カテゴリ | 具体的な症状 | 効果 |
---|---|---|
皮膚疾患 | 湿疹、じんましん | かゆみ・赤みの軽減 |
のど・口腔 | 扁桃炎、咽頭炎、口内炎 | 痛み・腫れの改善 |
慢性炎症 | 慢性じんましん | 抗ヒスタミン剤との併用効果 |



シミ・肝斑の改善以外に美肌効果も兼ね備えているトラネキサム酸を購入したい方は、トラネキサム酸が安い購入先を紹介した記事もご覧ください。
トラネキサム酸の副作用や注意点
トラネキサム酸は比較的安全な薬ですが、血を固める薬である以上、血栓症には注意が必要です。
一般的な副作用は胃腸の不調で、食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢・胸やけなどが報告されています(吐き気14.2%、下痢8.7%)。
ただし健康な人の発生率は0.17%程度と非常に低いです。
血栓症の初期症状として「胸の痛み・圧迫感」「片側の手足のしびれ・麻痺」があり、これらの症状が現れたらただちに服用を中止し医療機関を受診してください。
現在血栓がある方、トロンビン製剤投与中の方、トラネキサム酸にアレルギーのある方は服用できません。



ピル服用中の方、腎機能障害のある方、妊娠・授乳中の方は慎重投与となります。
副作用の種類 | 具体的な症状 | 発生頻度 | 対処法 |
---|---|---|---|
消化器症状 | 食欲不振、吐き気、嘔吐 | 吐き気14.2% | 食後服用 |
胃腸症状 | 下痢、胸やけ | 下痢8.7% | 医師に相談 |
神経症状 | 眠気 | まれ | 運転時注意 |
皮膚症状 | かゆみ、発疹 | まれ | 服用中止 |
トラネキサム酸に関するよくある質問8選
トラネキサム酸について多くの方が抱く疑問を解決しましょう。
Q1. トラネキサム酸は1回何錠飲めばいいですか?
A. 医師から指示された用量を守ってください。
一般的な肝斑・美白目的の処方では、250mg錠を1回1錠、1日3回(食後)というケースが多く、1日計750mgとなります。



市販薬では「トランシーノII」なら1回2錠を1日2回、「ペラックT錠」なら1回2錠を1日3回などです。
自己判断での増減は副作用リスクが上がるため絶対にやめましょう。
Q2. トラネキサム酸は喉の痛みに効くというのは本当ですか?
A. はい、本当です。
トラネキサム酸はのどの痛みや腫れを和らげる効果があります。



炎症部位で増えたプラスミンがブラジキニン(痛み・腫れの原因物質)を作り出しますが、トラネキサム酸はプラスミン発生を抑制し炎症を鎮めます。
1960年代の臨床試験でプラセボ群の約2倍の有効率を示しており、現在も耳鼻科や内科で処方されています。
Q3. トラネキサム酸で白髪になりますか?
A. いいえ、そのような医学的事実は確認されていません。
トラネキサム酸はメラニン生成を抑える薬ですが、主に皮膚の色素沈着(シミ)に作用し、毛髪のメラノサイトに影響を与えるという報告はありません。
服用中に白髪が増えた場合は他の要因が影響している可能性が高く、現時点で因果関係を示すデータはありません。
Q4. トラネキサム酸は1回に何錠飲めばいいですか?
A. 基本的には「1回につき1錠」(250mg錠の場合)が標準的です。
処方箋に「1日3回毎食後1錠」などと記載されています。
1回の服用量を自己判断で増やすのは厳禁です。
処方内容によっては1回2錠のケースもありますが、医師が決めた用量に従ってください。
Q5. トラネキサム酸を2回飲んでしまったのですが大丈夫ですか?
A. 誤って1回分余計に飲んでしまった程度なら、通常は大きな問題になることは少ないと考えられます。
医師も「1錠程度の飲み過ぎなら特に問題ない」と回答するケースがあります。



次の服用時間が近い場合は追加で飲まず、以降は正しいスケジュールに戻してください。
重大な過量服用の場合は医師に相談し、体調に異変を感じたら専門家に連絡しましょう。
Q6. トラネキサム酸を長く飲むと血栓ができるって本当ですか?
A. 正常な範囲の服用で直ちに血栓ができるわけではありませんが、長期連用時は注意が必要です。



健康な人の血栓症発生率は0.17%程度と非常に低く、1日1,000mgを1年間服用しても血栓は増えなかったとのデータがあります。
ただし血栓ができやすい体質の人はリスクが高まる可能性があります。
医師の指示のもと定期的に経過を確認し、異常な症状があればすぐ受診してください。
Q7. トラネキサム酸に市販薬はありますか?
A. はい、あります。



肝斑改善薬として「トランシーノII」「トランシーノEX」(1日750mg配合、第1類医薬品)が薬局で購入できます。
のどの薬では「ペラックT錠」(750mg/日配合)があります。
美白化粧品ではロート製薬「白潤」や資生堂ナビジョンDR「TAホワイトエマルジョン」などが市販されています。
市販薬は連続8週間までの使用となっています。
Q8. トラネキサム酸の効果はやめたら元に戻りますか?
A. 残念ながら、元に戻る可能性があります。
服用をやめるとメラニン生成が再び活発化し、4〜8週後には色調が元の状態に戻ったという報告があります。
特に肝斑は慢性的な症状なので再発しやすいです。
ただし一生飲み続ける必要はなく、一定期間服用後に休薬し、必要に応じて再開するサイクルで管理します。
まとめ
トラネキサム酸はシミ・肝斑の改善に有効な内服薬で、効果が現れるまでの目安は4〜8週間程度です。
適切に服用すれば比較的安全性が高く、肌のトーンアップや炎症抑制による美肌効果も期待できます。



焦らずに数ヶ月単位で取り組むことで実感が得られるでしょう。
ただし、薬に頼るだけでなく日々の紫外線対策やスキンケアも並行して行うことが大切です。
副作用や疑問点があれば遠慮なく主治医に相談し、安心して治療を続けてください。
美肌への道は一歩ずつですが、正しい知識と方法で確実に近づいていけるはずです。


QB CLINIC
編集部
経歴・詳細
総合病院で看護師として働いた後、美容医療の世界へ。現在はオンライン診療専門のQuic Beauty Clinicで患者さんと向き合いながら、正しい美容医療の情報をお伝えしています。
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