「トラネキサム酸250mgって何に効くの?」と疑問に思っていませんか?
実はトラネキサム酸は、美白効果から止血、喉の炎症まで幅広い症状に効果を発揮する医薬品です。
プラスミンという物質の働きを抑えることで、シミ・肝斑の改善、喉の痛み緩和、出血を止める効果が期待できます。
この記事では効果と使い方、副作用や注意点、市販薬との違いなど、トラネキサム酸250mgについて分かりやすく解説します。

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QB CLINIC 院長
鍵野 攻允(カギノ コウジ)
若くして脂肪吸引・豊胸専門美容クリニックの院長に抜擢され、現在も日々多くの手術をこなす現役ドクター。 慶應義塾大学病院をはじめ、複数の院での勤務経験を活かし、患者様のお悩みによって、オーダーメイドに治療を提供しております。
経歴・詳細
- 2021年3月日本医科大学医学部 卒業
- 2021年4月慶應義塾大学病院 入職
- 2023年5月QUIC BEAUTY CLINIC 院長
- 2024年12月一般社団法人医鍵会QUIC BEAUTY CLINIC院長
- アムルーズ美容外科
- 東京ブランシェクリニック
- BBクリニック銀座
- 藤ナチュレ美容クリニック
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 日本坑加齢医学会(JAAM) 正会員
- vaser認定医
トラネキサム酸250mgとは?
まずはトラネキサム酸250mgという薬の基本について押さえましょう。
医療用医薬品としてどんな特徴があるのか、またよく耳にする「500mg」との違いについて解説します。
医療用医薬品としての概要
トラネキサム酸は、血液中のプラスミンという酵素をブロックする抗プラスミン薬です。
1960年代から使われている歴史のある薬で、安全性が高く副作用が少ないのが特徴です。
口内炎治療薬や歯磨き粉にも含まれることが多いです。
トラネキサム酸250mgは、1錠あたりに有効成分が250mg含まれた製剤で、メーカー各社からジェネリック医薬品として供給されています。
トラネキサム酸250mgと500mgの違いは
250mgと500mgの違いは、1錠あたりの含有量の違いであり、効果の強さ自体は同じです。
500mg錠は250mg錠のちょうど倍量の有効成分を含むため、より少ない錠数で同じ量の薬を服用できるメリットがあります。
以下の表で、250mg錠と500mg錠の違いを詳しく比較してみましょう。
項目 | 250mg錠 | 500mg錠 |
---|---|---|
1錠あたりの含有量 | 250mg | 500mg |
1日1500mg服用する場合 | 1回2錠×1日3回 = 6錠 | 1回1錠×1日3回 = 3錠 |
錠剤のサイズ | 直径約10mm(やや大きめ) | 直径約12mm(大きい) |
飲みやすさ | 錠数は多いがサイズは小さめ | 錠数は少ないがサイズは大きめ |
効果 | 同じ | 同じ |
価格 | やや安価 | やや高価 |
小児への処方 | 可能(ただし散剤推奨) | 困難(散剤推奨) |



トラネキサム酸の実際の用法用量の目安としては、添付文書上「成人は1日750〜2,000mg(250mg錠なら3〜8錠、500mg錠なら2〜4錠)を3〜4回に分けて服用」とされています。
最終的な1日の総量が同じであれば効果も同じです。
まとめると、250mgと500mgの違いは容量と剤形のみであり、患者さんにとっては「飲みやすさ」の違いです。



効果に差はないので、医師の判断で適切な方が選ばれます。
トラネキサム酸250mgは何に効くの?効果と使い方
ここからは、トラネキサム酸250mgが具体的にどんな症状・目的に対して効果を発揮するのかを見ていきましょう。



美容目的での利用から、喉の炎症、皮膚のアレルギー症状まで、効果と正しい使い方を解説します。
以下の表で、トラネキサム酸250mgの主な効果と特徴をまとめました。
効果・目的 | 効果が現れる時間 | 推奨服用期間 | 1日の服用量目安 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
美白・肝斑改善 | 2〜3ヶ月 | 数ヶ月間 | 750〜1500mg | 紫外線対策も必須 |
喉の痛み・扁桃炎 | 2〜3時間 | 3〜7日程度 | 750〜1500mg | 抗生物質ではない |
湿疹・アレルギー | 1〜2日 | 1〜2週間 | 750〜1500mg | 他のアレルギー薬と併用 |
止血(鼻血など) | 30分〜1時間 | 必要に応じて | 750〜2000mg | 血栓リスクに注意 |



喉の痛みや出血以外にも、美容目的で使用されるトラネキサム酸を購入したい方は、トラネキサム酸が安い購入先を紹介した記事もご覧ください。
肝斑・シミなど美容目的



トラネキサム酸は肝斑(頬骨あたりに左右対称に現れる薄茶色のシミ)治療の第一選択薬として有名です。
30~40代の女性に多く見られる肝斑に対し、レーザー治療より内服が優先されることもあります。
紫外線刺激でメラニン色素が作られる際、プラスミンがメラノサイト(色素細胞)を活性化してシミを作りやすくします。
トラネキサム酸はプラスミンをブロックし、過剰なメラニン産生を抑制することでシミ・肝斑を薄くします。



美容目的では1回250mg〜500mgを1日3回服用し、2〜3ヶ月継続が推奨されます。
紫外線対策も並行して行い、内服をやめるとシミが戻る可能性があるため医師と相談して継続期間を決めましょう。
喉の痛み・扁桃炎など軽度の炎症
トラネキサム酸は喉の腫れ・痛みにも効果があります。
耳鼻科や内科で風邪による喉の炎症、扁桃炎、咽喉頭炎などに処方されることは珍しくありません。
トラネキサム酸はプラスミンの働きを抑え、炎症を根本から鎮める消炎作用を発揮します。
抗生物質ではないため細菌を殺す作用はありませんが、ウイルス性の喉風邪や扁桃炎による症状緩和には有効です。
1日3回服用し、血中濃度が2〜3時間後にピークになるため、約2時間で喉の痛みが和らいでくることが多いです。
湿疹・アレルギー反応の緩和
トラネキサム酸は皮膚の炎症やアレルギー反応を和らげる目的でも用いられます。



添付文書上の適応症にも「湿疹及びその類似疾患、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における発疹・発赤・腫れ・かゆみ等の緩和」と記載されています。
アレルギー反応時もプラスミンが関与し炎症を悪化させるため、トラネキサム酸でブロックすることで皮膚の腫れやかゆみを軽減できます。
アトピー性皮膚炎の悪化時や蕁麻疹の補助治療として処方され、抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬だけでは治りにくい頑固な湿疹に併用すると症状が改善しやすくなります。
使い方は1日750〜1500mg程度を3回に分けて服用し、症状が強い急性期には多めに処方され、落ち着いてきたら減量・中止するのが一般的です。
トラネキサム酸250mgの副作用と注意点
いくら効果が魅力的でも、副作用やリスクが気になるという方も多いでしょう。
ここでは、トラネキサム酸250mgのよくある副作用と、まれに起こり得る重大な副作用、併用注意の薬剤や長期使用の是非について解説します。
よくある副作用(胃の不快感・発疹など)
トラネキサム酸は比較的安全性の高い薬ですが、それでもゼロではない副作用が報告されています。
頻度は高くありませんが、まず起こり得る軽度な副作用として以下のような症状があります。
これらはいずれも一時的な軽い症状であることが多く、頻度もそれほど高くありません。
とはいえ、服用中に上記のような不快な症状が現れた場合は無理に続けず、一旦中止し医師に相談しましょう。
特に発疹(皮膚のぶつぶつ・赤み)は薬のアレルギー反応の可能性もあるため注意が必要です。
またネット上では「トラネキサム酸を飲むと白髪が増える」というウワサを見かけることがありますが、医学的な根拠はありません。
白髪に関して心配する必要はないでしょう。
血栓症など重篤な副作用の可能性
トラネキサム酸最大の注意点は、血液を固める作用があるため血栓ができるリスクがある点です。
健康な人が通常量を服用している分にはまず問題ありませんが、もともと血栓ができやすい体質・疾患を持つ方では注意が必要です。
そのため医師から使用を禁止・制限される場合があります。
血栓症以外に極めてまれですが、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)や視覚障害が報告されたケースもあります。
ただし通常の内服量ではまず起こらない副作用であり、必要以上に心配する必要はありません。
「息苦しさや胸の痛み、片脚の腫れ」など血栓症を疑わせる症状が出た場合は、すぐに受診してください。
飲み合わせに注意すべき薬
トラネキサム酸は単独では比較的安全ですが、併用に注意が必要な薬も存在します。



代表的なのがトロンビン製剤で、消化管出血の治療などに使われる止血薬です。
作用機序がトラネキサム酸と重複し、併用すると血栓ができやすくなるおそれがあるため、一緒に処方しないのが原則です。
また、ピル(経口避妊薬)との併用にも注意が必要です。
ピル自体が血栓リスクを高めるため、トラネキサム酸と併用する場合は血栓症の兆候により注意深く観察することが望ましいです。



市販のかぜ薬や鎮咳去痰薬にもトラネキサム酸が含まれる製品があります。
重複して服用しないよう、成分表示を確認し、現在服用中の薬を必ず医師に伝えましょう。
トラネキサム酸は長期飲み続けてもいい?
基本的に大丈夫なケースが多いとされています。
トラネキサム酸は長期使用による特定の臓器障害の報告はなく、副作用発現率も低いため、長期服用によって副作用リスクが著しく高まる可能性は低いと考えられています。
美容目的(シミ・肝斑)では一定期間継続することで効果を維持・向上させることができます。
途中でやめるとメラニン抑制作用がなくなり、またシミが濃く戻るおそれがあるため、医師の指示のもと必要な治療期間しっかり服用を続けることが大切です。



ただし自己判断でだらだら飲み続けるのはおすすめできません。
肝斑治療では2〜3ヶ月で効果を評価し、喉の痛みなど一時的な炎症では症状が治まれば中止します。
定期的に主治医に経過を報告し、トラネキサム酸の必要性を判断してもらいましょう。
トラネキサム酸250mgに関するよくある質問(Q&A)
最後に、トラネキサム酸250mgについて読者の方からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
市販薬との違いや、服用できる条件、効果が感じられないときの対処など、気になるポイントを一問一答で確認しましょう。
Q. トラネキサム酸配合の市販薬(例えばトランシーノ®)と、病院で処方されるトラネキサム酸250mg錠は何が違うのですか?
A. 主な違いは含有量と入手経路です。以下の表で詳しく比較してみましょう。
項目 | 市販薬(トランシーノなど) | 処方薬(250mg錠) |
---|---|---|
1日の最大摂取量 | 750mg | 2,000mg |
効果の期待度 | 軽度〜中程度 | 中程度〜高度 |
服用回数 | 1日2回(朝・夕) | 1日3〜4回 |
服用期間の制限 | 2ヶ月まで | 医師の判断による |
入手方法 | 薬局(薬剤師による説明) | 医師の処方箋が必要 |
価格 | 約3,000〜4,000円/月 | 保険適用で約500〜1,000円/月 |
安全性管理 | 自己管理 | 医師による定期的な確認 |
併用薬の確認 | 薬剤師による簡易確認 | 医師による詳細な確認 |
市販のトランシーノは第一類医薬品(薬剤師のいる薬局で購入可能)で、1日あたりのトラネキサム酸総量は750mgと定められています。
一方、処方薬のトラネキサム酸は1日2,000mgまで使用可能で、市販薬の2倍以上の量を服用できます。つまり処方薬の方が高用量で効果も高く期待できるわけです。
まとめると、市販薬は比較的軽い症状や予防的な利用向けで、含有量が少なく安全マージンが広くとられています。
一方処方薬は症状が重い人や本格的に治療したい人向けで、高用量を医師管理下で使えるため効果も出やすいです。
Q. トラネキサム酸は生理中や妊娠中に飲んでも大丈夫でしょうか?
A. 生理中(月経中)での服用は問題ありません。
むしろトラネキサム酸は月経時の経血量を減らす効果が期待でき、過多月経の治療にも使われる薬です。
生理痛の薬(鎮痛剤)ではありませんが、経血が多くて困っている方には生理期間中だけトラネキサム酸を服用することで出血量を抑え、貧血予防や生活の質改善に役立つ場合があります。
一方、妊娠中の服用については慎重になる必要があります。



トラネキサム酸自体、動物実験では奇形発生等は報告されておらず比較的安全とされていますが、妊婦さんでは安全性が確立していません。
特に妊娠初期は薬剤の影響を受けやすい時期です。
さらに妊娠中はもともと血栓ができやすい状態なので、トラネキサム酸によってそのリスクが高まる懸念もあります。
以上から、妊娠中のトラネキサム酸使用は原則おすすめできません。
どうしても必要な場合(例えば妊娠中の異常出血を止めるなど)に限り、医師の判断で慎重に投与されることがあります。
授乳中も同様に、乳汁への移行が少量あると考えられるため、服用する際は医師と相談しましょう。
Q. トラネキサム酸を飲んでみたけど「効いている実感がない」ときはどうしたらいいですか?
A. まずは服用期間と目的を確認しましょう。
トラネキサム酸は即効薬ではないため、特にシミ・肝斑の改善目的の場合は数ヶ月単位での継続が必要です。
「1〜2週間飲んだけどシミが消えない」というのは想定内で、最低でも8週間程度は続けてみてください。
それでも全く変化がない場合、単独では効果が出にくい可能性があります。
喉の痛みや炎症で服用している場合、通常2〜3日もすれば症状の改善が感じられるはずです。
それでも効果が感じられない場合、考えられる理由は二つあります。
一つは症状が重くトラネキサム酸だけでは不十分なケース、もう一つは実はトラネキサム酸でカバーできない原因があるケースです。
いずれにせよ自己判断で増量したりせず、再度受診して医師に相談することが大切です。
Q. トラネキサム酸250mg錠を処方してもらいたい場合、医師にどう相談すればいいでしょうか?
A. まず大前提として、トラネキサム酸は「この薬をください」と単独でお願いするよりも、「症状・悩みを伝える」ことが重要です。
医師は症状に応じて最適な薬を選択しますので、以下のように相談してみましょう。
- シミ・肝斑を治療したい場合:「頬の肝斑を治したいのですが、飲み薬でトラネキサム酸というものが効果があると聞きました。私の症状に処方していただくことは可能ですか?」と伝える。美容目的の場合は皮膚科(美容皮膚科)を受診するとスムーズです。
- 喉の炎症や口内炎の場合:「のどの痛み(または口内炎)がつらいです。以前トラネキサム酸という薬が効くと聞いたのですが、私の場合処方してもらえますか?」と相談する。
- 湿疹・蕁麻疹の場合:「皮膚のかゆみと腫れがひどいです。飲み薬で何か炎症を抑えるものはありますか?」と尋ねる。
要は、トラネキサム酸が有効な症状をこちらから提示することがポイントです。
医師はそれを受けて「では試してみましょう」という流れになるはずです。
適切な科を受診し、現在の症状や悩みを率直に相談することが結果的にトラネキサム酸処方への近道となるでしょう。
まとめ
トラネキサム酸250mgは、美白から喉の炎症、出血止めまで幅広い効能を持つ医薬品です。
プラスミンを抑えることで体の中から炎症やメラニン生成をコントロールし、副作用も少なく使いやすい薬です。



ただし血栓症リスクには注意が必要で、持病のある方や妊娠中の方は医師と相談の上で使用しましょう。
市販薬より処方薬の方が高用量で効果的です。
症状に合わせて皮膚科や耳鼻科など専門医に相談し、適切な処方を受けることをおすすめします。


QB CLINIC
編集部
経歴・詳細
総合病院で看護師として働いた後、美容医療の世界へ。現在はオンライン診療専門のQuic Beauty Clinicで患者さんと向き合いながら、正しい美容医療の情報をお伝えしています。
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