GLP-1ダイエットに興味があるけど、副作用や危険性が気になる…
そんな不安を抱えていませんか?
近年、海外セレブや芸能人の間で話題となった「痩せる注射」として注目を集めるGLP-1ダイエット。

確かに強力な減量効果が期待できる一方で、重篤な副作用リスクや安全性への懸念も指摘されています。
この記事では、GLP-1ダイエットの基本的な仕組みから具体的な危険性、副作用への対処法、そして安全に始めるためのポイントまで、医療の専門知識に基づいて詳しく解説します。
なぜそう言えるのか、その理由と安全に痩せるための方法を詳しく説明していきます。



また、お得にダイエットを始めたい方は、GLP-1ダイエットが安いおすすめのオンラインクリニックについてまとめた記事も参考にしてください。


QB CLINIC 院長
鍵野 攻允(カギノ コウジ)
若くして脂肪吸引・豊胸専門美容クリニックの院長に抜擢され、現在も日々多くの手術をこなす現役ドクター。 慶應義塾大学病院をはじめ、複数の院での勤務経験を活かし、患者様のお悩みによって、オーダーメイドに治療を提供しております。
経歴・詳細
- 2021年3月日本医科大学医学部 卒業
- 2021年4月慶應義塾大学病院 入職
- 2023年5月QUIC BEAUTY CLINIC 院長
- 2024年12月一般社団法人医鍵会QUIC BEAUTY CLINIC院長
- アムルーズ美容外科
- 東京ブランシェクリニック
- BBクリニック銀座
- 藤ナチュレ美容クリニック
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 日本坑加齢医学会(JAAM) 正会員
- vaser認定医
GLP-1ダイエットとは?基本知識と仕組み
GLP-1ダイエットについて正しく理解するために、まずはその基本的な仕組みから見ていきましょう。
GLP-1ダイエットの基本概要
GLP-1とは、私たちの小腸から食事の度に分泌される消化管ホルモンのことです。
このホルモンには満腹中枢を刺激する作用もあるため、痩せるホルモンとして注目されるようになりました。
GLP-1ダイエットは、このホルモンと同じ働きをする「GLP-1受容体作動薬」という薬剤を使った医療ダイエットです。



元々は2型糖尿病の治療薬として開発された薬ですが、外部からGLP-1の作用を補うことで強力な食欲抑制効果が得られるため、体重管理にも応用されています。
海外では肥満治療薬として承認された例(セマグルチド製剤「ウゴービ」など)もあり、日本でも美容目的で利用するクリニックが登場しました。
ただし、痩身目的での使用は基本的に適応外(オフラベル)使用である点は重要です。
本来の適応症は糖尿病治療であることを覚えておきましょう。



また、ウゴービを使った医療ダイエットが保険適用可能かどうかについて解説した記事もご覧ください。
GLP-1ダイエットの食欲抑制と体重減少の仕組み
では、なぜGLP-1薬で痩せることができるのでしょうか?
その仕組みを詳しく見てみましょう。
GLP-1薬を体内に投与すると、脳の食欲中枢に直接働きかけて自然に食欲を抑制します。
「お腹が空かない」「少し食べただけで満足する」という状態になり、無理な我慢をせずに摂取カロリーを減らすことができるのです。



さらに、胃の内容物の排出を遅らせる作用もあります。
これにより満腹感が長時間持続し、間食や夜食への欲求も自然と減っていきます。



加えて、血糖値の急上昇を穏やかにすることで脂肪の蓄積を抑制し、基礎代謝をわずかに向上させる効果も報告されています。
これらの複合的な作用により、無理な食事制限や過度な運動に頼らない減量が可能になるのです。
実際、海外の臨床試験では運動や食事制限なしでも、平均体重の10~15%減少という劇的な効果が示されています。
即効性を期待しすぎず、医師と相談しながら継続することが重要です。



GLP-1ダイエットは痩せないのではないかと不安を抱いている方は、こちらの記事も参考にしてください。
GLP-1の糖尿病治療薬としての本来の用途
GLP-1受容体作動薬は、本来2型糖尿病患者の血糖コントロールのために開発され、長年使われてきた薬剤です。
代表的な製剤には以下があります。
- 週1回注射:オゼンピック(セマグルチド)、マンジャロ(チルゼパチド)
- 毎日注射:サクセンダ(リラグルチド)
- 経口薬:リベルサス(セマグルチド)
糖尿病治療において、GLP-1薬はインスリン分泌を促進して血糖値を下げる効果に加え、体重減少効果もあるため「一石二鳥の薬剤」として重宝されてきました。
しかし、痩せる効果だけが独り歩きし、
芸能人も使っているらしい
保険適用でなくても痩せたいから使いたい
といった声が広がっています。
実際、アメリカでは著名人がGLP-1薬による減量を公表し社会現象になった結果、需要が急増して薬剤不足が発生しました。
日本でも2023年に肥満症治療薬としてセマグルチド(ウゴービ皮下注)が承認されましたが、これはBMIや合併症など厳しい条件を満たす高度肥満症の患者のみが対象です。
つまり、GLP-1薬は本来糖尿病や高度肥満の治療薬であり、誰でも使える「ダイエット薬」ではないということを理解しておく必要があります。
GLP-1ダイエットの危険性・リスク一覧
効果が高い反面、GLP-1ダイエットにはどのような危険性があるのでしょうか?
主なリスクを3つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。
GLP-1ダイエットの危険性① 重篤な副作用のリスク
GLP-1ダイエット最大のリスクは、薬物による重篤な副作用です。



GLP-1受容体作動薬は医薬品であり、さまざまな副作用が報告されています。
特に注意すべき重大な副作用として、以下が挙げられます。



例えば急性膵炎では、海外の臨床試験でGLP-1薬(セマグルチド)投与群において4.6人/1000人年の頻度で発生したという報告があります。
頻度としては決して高くありませんが、ゼロではなく、対照薬より有意にリスクが増加していました。
GLP-1薬の添付文書でも「劇症膵炎の既往がある人には禁忌」とされるほど、膵臓への負担が懸念されています。



また、低血糖も見逃せない副作用です。
GLP-1単独では低血糖は起こりにくいとされていますが、極端な糖質制限や他の糖尿病薬併用時には意識を失うほどの重度低血糖が起こる可能性があります。
厚生労働省も「適応外使用では思わぬ副作用による健康被害のおそれがある」と公式に注意喚起しており、安全性が十分確認されていない減量目的での使用には慎重な対応が求められます。
GLP-1ダイエットの危険性② 個人輸入による偽薬の危険性
費用を抑えたいから、ネットで個人輸入すれば同じ薬が手に入るのでは?
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、個人輸入でGLP-1薬を入手するのは極めて危険です。
見た目は正規品と区別がつかない巧妙な偽薬も存在し、成分が不明だったり、不衛生な環境で製造されたものが送られてくるリスクがあります。
実際、ネットで購入したED治療薬の多くが偽物だったという調査結果もあり、海外では医薬品偽造が深刻な問題となっています。
- 偽造品・粗悪品のリスク
- 副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外
- 適切な保管・輸送が困難(特に冷蔵が必要な注射薬)
- 手数料等で結局割高になる場合も
自己責任で輸入した薬によって副作用が起きても、何の補償も受けられません。



安さを期待したのに結局損をする可能性もあるため、安易に手を出すのは避けるべきです。
GLP-1ダイエットの危険性③ 医師の指導なしに使用する危険性



GLP-1ダイエットは、必ず医師の診察・指導のもとで行うべき医療行為です。
医師の管理なく自己流で使用すると、思わぬ事態に対処できず重大な結果を招きかねません。
- 副作用への適切な対処ができない
- 激しい腹痛や体調不良が起きても、独断で継続・中断して症状を悪化させるリスク
- 低血糖症状への対処法を知らず、昏倒する危険性
- 正しい投与方法がわからない
- 自己注射の手技や用量管理を誤ると、効果が出ないばかりか副作用が強まる可能性
- 法的な問題
- オフラベル使用での副作用救済制度対象外
- 処方箋なしでの薬物使用は薬機法上もグレーゾーン
厚生労働省も「適応外使用の実態がある」として問題視しており、安全性が未確認で未知の副作用のおそれもある以上、医療従事者の観察なしでの使用は非常にリスキーです。
特に問題なのは、副作用が出た際に医師のアドバイスを受けられず、適切な対処ができないことです。



GLP-1ダイエットは医療行為であり、決して独りで抱え込まず必ず信頼できる医師のもとで行うことが鉄則です。
GLP-1ダイエットの主な副作用と症状別対処法
では、具体的にどのような副作用が起こり得て、それぞれにどう対処すれば良いのでしょうか?
主要な副作用を4つ取り上げ、症状ごとの特徴と対処法を解説します。
GLP-1ダイエットの副作用① 吐き気・嘔吐の症状と対策



最も一般的に現れる副作用が、吐き気やムカつきなどの胃腸症状です。
GLP-1薬は胃腸の働きに影響を与えるため、治療開始直後にお腹の張り、胃のムカムカ、吐き気といった症状がよく見られます。
人によっては食後に嘔吐してしまう場合もありますが、これらの副作用の多くは一時的です。
使用を継続して数日~数週間経つうちに体が慣れて治まるケースがほとんどで、「最初の3~4ヶ月で吐き気はだいたい落ち着く」との報告もあります。
- 低用量から開始し、徐々に増量する
副作用は初期に出やすいため、最初は少ない用量から始め、週ごとに段階的に増やすことで体を慣らします。 - 注射タイミングを工夫する
空腹時に薬を入れると吐き気が強まりやすいため、食後に投与すると症状が和らぐことがあります。週1回注射の場合は、就寝前の夜に打つことで日中の気持ち悪さを軽減できます。 - 食事内容・速度に注意する
脂肪分の多い食事は胃もたれや吐き気を悪化させます。低脂肪で消化の良い食事を心がけ、よく噛んでゆっくり食べましょう。 - 水分と電解質をしっかり補給する
適度な水分補給は吐き気対策の基本です。1日2リットルを目標に、スポーツドリンクなど電解質を含む飲料を少しずつ摂取しましょう。 - 必要に応じて制吐剤を使用
症状がどうしてもつらい場合は、医師に相談して吐き気止め薬を併用することも可能です。



嘔吐が続いて水も飲めない場合や明らかに異常な症状があれば、躊躇せず医療機関を受診してください。
GLP-1ダイエットの副作用② 低血糖症状の危険性と予防法
GLP-1ダイエットでは通常、低血糖は起こりにくいとされています。



インスリンとは異なり血糖値が高い時にだけ作用するため、単独療法での重篤な低血糖リスクは低いとされています。
ただし、以下の状況では低血糖症状が生じることがあります。
- 極端な糖質制限を併用している場合:ケトジェニックダイエットのように炭水化物を極端に減らしていると、血糖が下がり過ぎる可能性があります
- 他の減量薬や糖尿病薬を併用している場合:インスリンやSU剤など血糖降下作用のある薬との相乗効果で低血糖を起こし得ます
- 長時間の激しい運動を行った場合:筋トレなど激しい無酸素運動は血糖を消費しやすく、食事量が減っているところに過度の運動をすると危険です
また、低血糖になると以下の症状が現れるため、GLP-1ダイエットをする場合は把握しておきましょう。
- 冷や汗
- 強い空腹感
- 手の震え
- 動悸
- 脱力感
- めまい
これらの症状が出たら、すぐにブドウ糖を含む食品やジュースを摂取し、安静にすることが基本対応です。
飴玉やオレンジジュースなどを常に携帯しておきましょう。
摂取後15分待っても改善しない場合は再度同じ量を摂り、それでも良くならない時や意識が朦朧とする時は躊躇せず救急受診してください。



予防策としては、無理な糖質制限は避け適度に炭水化物を摂る、運動も有酸素運動程度に留めることが有効です。
万一に備え、家族にもGLP-1使用中であることと低血糖時の対処法を共有しておくと安心です。
GLP-1ダイエットの副作用③ 下痢・胃腸障害への対応
これも薬が胃腸の動きを調整する作用による副作用で、使用開始直後に現れやすいのが特徴です。
多くの場合、使い続けるうちにこうした胃腸症状は自然と治まっていきますが、下痢がひどいと脱水や電解質異常を招く可能性があり、便秘が長引くと腹痛の原因にもなります。



万が一の際に備えて、以下の対処方法を把握しておきましょう。
- 水分補給を欠かさず行う:水や経口補水液、スポーツドリンクで電解質も補給しましょう
- 食事内容を調整する:下痢の時は脂肪分や刺激物を避け、お粥やスープなど胃腸に優しい食事にします
- 便秘対策:適度な食物繊維や乳酸菌を摂取しますが、無理に大量に食べると胃が重くなるため注意が必要です
症状がつらい時は市販の整腸剤や便秘薬で一時的にしのいでも構いませんが、長引く場合は医師に相談してください。
激しい腹痛や嘔吐を伴う場合は、重篤な副作用(腸閉塞など)の兆候の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
GLP-1ダイエットの副作用④ 膵炎・肝障害などの重篤な副作用
頻度は非常に低いものの、命に関わる重篤な副作用も起こり得ます。
急性膵炎は、GLP-1受容体作動薬全般に注意喚起されている重大な副作用です。
以下の症状が見られたら膵炎を疑います。
- 激しい上腹部~背中の痛み
- 繰り返す嘔吐
- 発熱
また、胆石ができることによる胆嚢炎・胆管炎も報告されており、右上腹部痛や発熱・黄疸の症状に注意が必要です。
さらに可能性としては、重度の肝機能障害(肝炎症状)や腎機能悪化(脱水からの腎不全など)も完全には否定できません。



これらの重大な副作用が疑われる場合は一刻も早く医師の診察を受けてください。自己判断で様子を見るのは厳禁です。
- GLP-1薬の使用は直ちに中止
- 医師に現在使用中であることを必ず伝える
- 入院治療が必要になる場合もあります
肝障害については、定期的な血液検査で肝酵素値をチェックすることが予防につながります。
万一を想定し、緊急時にすぐ受診できるようかかりつけ医や緊急連絡先を用意しておきましょう。
GLP-1ダイエットができない人・危険性がある人
GLP-1ダイエットは誰でも受けられるわけではありません。
特に以下に該当する方は、GLP-1薬の使用が禁忌(絶対に避けるべき)または慎重投与となっています。
GLP-1ダイエットをすると危険な人① 妊娠中・授乳中の方への危険性
妊娠中や授乳中の方は、GLP-1ダイエットを受けることができません。



減量目的にかかわらず、妊娠糖尿病などでどうしても血糖コントロールが必要な場合を除いて使用できません。
そもそも妊娠中の減量自体が推奨されませんし、授乳期も赤ちゃんへの栄養確保が最優先です。
なお、避妊中であっても「2ヶ月以内に妊娠を予定している女性」も使用禁止となっています。



薬剤が体内から抜けるまで時間がかかるためです。
将来的に妊娠希望がある場合には、担当医とよく相談することが大切です。
産後落ち着いてから改めて検討するのが安全です。
GLP-1ダイエットをすると危険な人② 糖尿病・膵炎の既往歴がある方
既に糖尿病の診断を受けている方、過去に膵炎を起こしたことがある方も特に注意が必要です。
糖尿病患者の場合、GLP-1薬は本来糖尿病治療薬ですが、現在糖尿病治療中の方が痩身目的で使用する場合は特に慎重な判断が求められます。
- すでに他の糖尿病薬を内服・インスリン注射している場合は低血糖リスクが高まります
- 体重減少のペースによっては糖尿病網膜症が悪化する懸念も報告されています(急激な血糖コントロール改善で網膜症が進行する可能性)
したがって糖尿病患者の方は、必ず主治医のもとで肥満治療としてGLP-1薬を用いるか慎重に検討してもらう必要があります。



医師の指示なく美容クリニック等で自己判断で始めるのは非常に危険です。
膵炎の既往がある方にはGLP-1薬は禁忌とされています。
GLP-1薬自体が膵炎を誘発する可能性がある以上、一度膵炎になった方が再度膵炎を起こすリスクは看過できません。
たとえ現在は治っていても、膵臓はデリケートな臓器であり、GLP-1で再び負荷をかけるのは危険です。



同様に、重度の胃腸障害(胃潰瘍や炎症性腸疾患など)がある方も禁忌となります。
消化管に既に問題を抱えていると、副作用で症状が悪化しかねないためです。
GLP-1ダイエットをすると危険な人③ 年齢制限と使用禁止条件
GLP-1ダイエットには年齢による制限もあります。
- 18歳未満の未成年:基本的に治療は実施されません。肥満症治療としての安全性・有効性が小児では確立されていないためです
- 65歳以上の高齢者:明確な年齢上限はありませんが、慎重投与とされています。腎機能や肝機能が低下している場合が多く、副作用リスクが高まるためです
また、以下のような方はGLP-1ダイエットは適用できません。
- 重度の肝障害・腎障害・心不全を抱える方:薬の代謝や排泄に支障が出て副作用が強く出る恐れがあります
- 甲状腺疾患のある方:特に甲状腺髄様癌やMEN2といった遺伝的素因がある場合は禁忌です。動物実験でGLP-1薬により甲状腺C細胞腫瘍が増加したことに基づく措置です



まとめると、以下のような方はGLP-1ダイエットに適していません。
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠予定が間近にある方
- 18歳未満の未成年の方
- 糖尿病で他の治療中の方(主治医と要相談)
- 膵炎の既往がある方
- 重度の胃腸疾患がある方(胃潰瘍、炎症性腸疾患など)
- 重度の肝障害・腎障害・心不全を抱える方
- 甲状腺疾患のある方
該当する方は、GLP-1以外の減量法を検討するか、主治医に相談して別のアプローチを模索しましょう。
安全にGLP-1ダイエットを行うための方法
GLP-1ダイエットを安全に成功させるためには、どのような準備や工夫が必要でしょうか?
リスクを最小限に抑えつつ効果を得るための具体的なポイントを解説します。
安全なGLP-1ダイエットの方法① 事前の血液検査と医師による診断
治療開始前の準備が何より重要です。
GLP-1ダイエットを始める際は、まず医療機関で事前の健康チェックを受けましょう。
- 血液検査:肝機能・腎機能の確認
- 血糖値・HbA1c測定:糖尿病の有無を確認
- 膵酵素(アミラーゼなど)のチェック:膵臓の状態を評価
これらの検査により、GLP-1薬を使用して問題ない健康状態かを評価できます。
また、医師は患者の既往歴や現在の症状を詳しく問診し、禁忌事項に該当しないか判断します。
- 膵炎や甲状腺腫瘍の既往の有無
- 現在服用中の薬剤やサプリメントの確認
- これまでのダイエット歴や生活習慣
相互作用のある薬(他の糖尿病薬など)がある場合、投与方法を調整する必要があるため、現在の服薬状況は正確に伝えることが重要です。



日本では肥満症治療のガイドライン上、6ヶ月以上の食事・運動療法を行った上で効果不十分な場合に薬物療法を追加することになっています。
初診時には「なぜGLP-1を希望するのか」「他の方法では痩せられなかったか」といった点も含め、正直に相談してください。
必要な検査と専門医の診断を経てこそ、安全に治療開始できるのです。
自己流で省略せず、信頼できる医療機関でスタートしましょう。
安全なGLP-1ダイエットの方法② 定期的なフォローアップの重要性
治療開始後は、定期的に医師のフォローアップを受けることが極めて重要です。
GLP-1ダイエットでは通常、毎月または数週間ごとに診察やカウンセリングを行い、以下をチェックします。
- 体重やBMIの推移
- 血圧・脈拍の測定
- 副作用の有無と程度
- 必要に応じて血液検査(肝腎機能、膵酵素など)
これにより膵炎や胃腸の不快感など、副作用の早期発見が可能になります。
特に最初の数ヶ月は副作用が出やすい時期なので、こまめなフォローが欠かせません。
医師から「何かあったらすぐ連絡してください」と言われる場合もありますが、自己判断せず気になる症状があれば遠慮なく相談しましょう。
さらに、医師のフォローアップでは、減量ペースや治療計画の見直しも行います。
- 予想以上に体重が落ちているなら用量調整や休薬を検討
- 効果が出にくい場合は他の手段を考慮
- 患者一人ひとりに合った適切な治療計画へ微調整



オンライン診療の場合でも、定期的な対面検査(血液検査等)は受けた方が安心です。
クリニックによって経過観察の頻度や方法が異なるので、開始前にフォロー体制が整っているか確認することも大切です。
医師がしっかり寄り添ってくれる環境なら、何か異変が起きても早めに対処でき、大事に至るリスクを下げられます。
安全なGLP-1ダイエットの方法③ 適切な投与量の調整方法
GLP-1ダイエットを行う上では、適切な用量調整が何よりも重要です。
副作用を軽減しつつ最大の効果を得るには、漸増療法(少量から開始し徐々に増やす)が基本となります。



具体的には、以下のような用量調整が行われます。
- セマグルチド(皮下注射):0.25mgから始めて4週後に0.5mgへ、さらに必要なら1.0mgへと段階的に増量
- リベルサス(経口薬):3mgから始めて徐々に増量
これは急に最大量を投与すると吐き気など副作用が強く出すぎるためで、体が慣れる時間を確保する重要な工夫です。
また、以下の点に注意して、GLP-1ダイエットを行えば、重篤な副作用などが発現するリスクを抑えられます。
- 医師の指示通りの用量スケジュールを必ず守る
- 自己判断で勝手に増やしたりしない
- 「早く痩せたいから倍量打つ」などは厳禁(命に関わる副作用を招く可能性)
逆に副作用が強いと感じるときは、一時的に減量したり維持量で様子を見ることもあります。



担当医と相談しながら、無理のない適量を見極めていきましょう。
また、服薬・注射のタイミングについては、医師の指示通りのタイミングを守ってください。



一部クリニックでは自己判断ミスを避けるため、看護師が注射指導をしてくれるところもあります。
不安な場合は投与手技について何度でも確認し、医師や看護師の指示に従ってGLP-1ダイエットを継続しましょう。
「副作用は用量調整で軽減できる」との報告もあるとおり、適切な量で続ければ身体は慣れてきます。
焦らず段階を踏むことが安全かつ効果的な減量への近道です。
安全なGLP-1ダイエットの方法④ 水分補給と栄養バランスの管理
治療中は生活面の工夫も忘れずに行いましょう。
GLP-1ダイエットでは食欲が低下するため、放っておくと摂取栄養が不足しがちです。
- 高タンパク低脂肪な食材を意識:魚、鶏肉、大豆製品など
- 野菜や海藻でビタミン・ミネラル・食物繊維を補給
- 炭水化物も完全に抜かない:玄米や全粒パンなどから適量を摂取
- 規則正しく3食は摂る:満腹感が続いていても低血糖予防のため
少量で栄養を確保する工夫として、プロテインドリンクやサプリメントを活用するのも良い方法です(ただしサプリの過剰摂取は禁物)。
また、副作用で下痢や嘔吐があると脱水しやすくなりますし、食事量が減ると水分摂取も減りがちです。



安全に痩せるためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 1日1.5〜2Lの水分を意識して摂取
- コーヒーやアルコールは利尿作用があるため控えめに
- 特にアルコール過多は膵臓への負担になり膵炎リスクを高めるため、治療中は節制を
- 電解質補給も大切:適宜スポーツドリンクや経口補水液を活用
「水分・電解質補給は吐き気対策の基本」といわれるほど重要なので、意識して実践してください。
毎日の体重や体調を記録し、何か異変を感じたらすぐ医師に伝えられるようにします。
血圧や血糖値の測定を指示される場合もありますので、きちんと測ってノートに記録し、次回診察時に見せると診療がスムーズです。
GLP-1ダイエットの医師選びとクリニック選択のポイント
GLP-1ダイエットを受けるクリニック選びも成功の重要な要素です。
適切な医療機関を選ばないと、十分なサポートが受けられなかったり不必要なリスクを負う可能性があります。
GLP-1ダイエットの選択ポイント① 信頼できる医療機関の見極め方
医師の専門性とクリニックの体制を重視しましょう。
GLP-1薬は糖尿病薬でもあるため、できれば糖尿病や肥満症に詳しい医師が在籍するクリニックを選ぶのが望ましいでしょう。
「美容皮膚科医だけどGLP-1も扱っている」ようなケースでも、非常勤で内科医が診療しているクリニックもありますので、医師紹介ページや口コミをチェックしてみてください。



また、GLP-1ダイエットは自由診療のためクリニックごとに費用が大きく異なります。そのため、以下の点も確認するのがおすすめです。
- 薬代だけでなく診察料や検査料、送料(オンラインの場合)など総額で比較
- 「○○円から」と安く見えても追加費用で高額になる例もあるため注意
- 初回カウンセリングでトータル費用をしっかり確認
- 高額なコース契約やサブスクリプション制を強要してこないか
良心的なクリニックは患者が負担なく継続できるよう配慮しており、契約内容についても丁寧に説明してくれます。



サポート体制の充実度は以下の点を確認してください。
- 副作用時にすぐ相談できる窓口があるか
- 栄養指導やカウンセリングが受けられるか
- LINEやチャットで気軽に質問できる仕組みがあるか
- 合わなかった場合の中止判断や他の治療への切り替えに柔軟に対応してくれるか
カウンセリング時に
効果が出ない場合はどうなりますか?
副作用で続けられないときは途中でやめられますか?
と聞いてみると良いでしょう。
安心して続けられる環境を整えているクリニックを選ぶことが成功への近道です。
GLP-1ダイエットの選択ポイント② オンライン診療のメリット・デメリット
最近は、スマホやPCで完結するオンライン診療でGLP-1ダイエットを提供するクリニックも増えています。
オンライン診療のメリット | 利便性:忙しい人でも自宅で手軽に診察・処方を受けられる 時間・費用の節約:通院の時間や交通費を節約できる アクセス性:地方に住んでいて近くに専門クリニックが無い場合でも利用可能 プライバシー:匿名性が保たれやすく、対面で相談しづらい人にも心理的ハードルが低い 価格競争:多くのオンライン専門クリニックが競争しているため、比較的リーズナブル 配送サービス:薬もクール宅配便で自宅配送 |
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オンライン診療のデメリット | 情報の制限:直接対面できないため問診情報だけで判断するしかなく、医師が得られる情報量が限られる 身体所見の確認困難:細かな表情や身体の変化をチェックしづらく、異変の察知が遅れる可能性 緊急時対応の制限:緊急時の対応は結局近隣の医療機関に頼ることになる コミュニケーションの限界:文字だけだとニュアンスが伝わりにくい場合がある |
オンライン診療を利用する際の注意点 | 地域の病院との連携があるか確認 万一の時の指示体制を確認 冷蔵保存が必要な注射薬はクール便対応か確認 積極的に電話やビデオ通話を活用 |
自分の性格やライフスタイルに合うかどうかを考えることが大切です。



忙しくて通院困難ならオンラインは強い味方ですが、対面でじっくり相談したい人は無理せず来院型を選ぶほうが長続きします。
GLP-1ダイエットの選択ポイント③ カウンセリング時に確認すべき項目
初回カウンセリングや問い合わせの段階で、以下のポイントを確認しておくと安心です。
治療の流れと計画
- 最初から最後までの治療の流れ
- 目標体重の設定や治療期間の目安
- フォローアップの頻度
- 現実的で継続しやすいプランを一緒に考えてくれるか
費用の詳細
- 総額の見積もり
- 内訳(診察料・薬代・検査代・送料等)
- 追加費用の有無
- 途中解約ポリシー
使用する薬剤の種類
- どの薬を使う予定か(リベルサス、注射薬など)
- 複数種類扱っているか(効果次第で切り替え可能か)
- 1種類しかない場合のリスクを考慮
副作用時の対応
- 副作用が出た場合の相談体制
- 営業時間外でも連絡取れるか
- 吐き気止めなどの追加処方は可能か
通院・フォロー体制
- 通院が必要な頻度
- オンライン診療の可否
- アクセスしやすい場所にあるか
- クール便などの配送体制が整っているか
多少面倒でも複数院に相談して比較してみることをおすすめします。



焦って決める必要はありません。納得できるまで事前確認することが、トラブル防止と成功への第一歩です。
GLP-1ダイエットの代替案・他の選択肢
GLP-1以外にもダイエットの方法は多数あります。
副作用が怖いから他の手段を知りたい
自分にはGLP-1は向かないかも…
という方のために、いくつかの代替案をご紹介します。
GLP-1ダイエットの代替案① 従来の食事療法・運動療法



食事改善と適度な運動は減量の基本であり、最も安全で健康的な方法です。
GLP-1薬に頼らずとも、摂取カロリーを消費カロリーより減らせば体重は落ちますし、副作用の心配もありません。
食事療法のポイント
- 自分の基礎代謝量に見合った摂取目標を設定
- 栄養バランスを保ちながら食べ過ぎを防ぐ
- 極端な糖質制限や脂肪制限ではなく、全体量を抑える地道なアプローチ
- リバウンドしにくく成功しやすい方法を選択
運動療法のポイント
- 有酸素運動(ウォーキングやジョギング)を週150分以上
- 筋トレを週2回ほど取り入れる
- 脂肪燃焼と筋力維持の両方を意識
生活習慣の改善
- 十分な睡眠の確保
- ストレス管理
- 規則正しい生活リズム
これらの方法は時間はかかりますが、副作用リスクはゼロで健康増進にも寄与します。
実際、GLP-1ダイエットを保険適用で受ける場合も、まず6ヶ月以上の食事・運動療法を行ってからと定められています。
GLP-1ダイエットの代替案② 他のメディカルダイエット選択肢
GLP-1以外にも医療の力を借りたダイエット法は存在します。
食欲抑制剤 | ・かつて日本でもマジンドールという食欲抑制薬が使用されていました(現在は入手困難) ・脳の満腹中枢に作用して食欲を減らす薬 ・ただし交感神経刺激作用により動悸や不眠など副作用が強く、長期使用できない欠点があります |
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脂肪吸収阻害薬(オーリスタット) | ・摂取した脂肪分の吸収を妨げる飲み薬 ・食事の脂肪約30%を未消化のまま排出 ・脂肪の多い食事をすると下痢や脂肪便(油が漏れるような便)が生じる副作用 ・日本では未承認(類似成分の市販薬「防風通聖散」はあり) |
漢方薬 | ・防風通聖散:脂肪代謝を促進 ・白インゲン豆由来サプリ:糖質の吸収を抑制 ・防己黄耆湯:利尿作用 ・効果はマイルドだが副作用は少なめ ・ただし適切に使わないと効果が出ないため専門医の指導が必要 |
脂肪溶解注射・痩身施術 | ・特定部位の脂肪細胞を溶かす注射(メソセラピー) ・冷却・高周波で脂肪細胞を破壊する美容痩身機器 ・部分痩せには有効だが、体重そのものを大幅に減らす効果は限定的 ・全身的な肥満には向かない |
バリアトリック手術(肥満外科手術) | ・BMIが35や40を超える重度肥満の場合の選択肢 ・スリーブ状胃切除、ルーワイ胃バイパス術など ・極めて大きな減量効果(体重の30%以上減)が期待できる ・ただし全身麻酔による侵襲的手術で合併症リスクも伴う ・日本では症例数が少なく一部施設でのみ実施 |
それぞれの方法には異なる効果とリスク・適応があるため、専門医と相談して自分に合った方法を選ぶことが重要です。
GLP-1ダイエットの代替案③ リスクを考慮した総合的な判断
最後に強調したいのは、「本当にGLP-1ダイエットが自分に必要か?」を総合的に判断することです。
GLP-1は確かに画期的な肥満治療薬ですが、万能ではなく、以下のようなデメリットもあります。
- 費用がかかる
- 副作用リスクと常に隣り合わせ
- 効果には個人差がある
例えば、あと数キロだけ痩せたいなどの美容目的だけであれば、敢えてリスクを冒さずとも食事管理の徹底などで対応できるかもしれません。



一方でBMI30以上で健康被害が出始めているような場合には、GLP-1導入を検討する価値が十分あります。
治療を始めたら終わりではなく、その後のプランも考えておきましょう。
一時的に痩せても、やめた途端リバウンドしては意味がありません。
実際、GLP-1薬の投与を中止すると体重が再び増加する(リバウンドする)事例が報告されています。
医師と目標設定をするときも、最終的には薬なしで維持できる体重を目指すようにしましょう。



「話題の薬だから」と飛びつくのではなく、以下の点をじっくり考えてみてください。
- 自分の現在の健康状態
- 減量の必要性・緊急性
- 他の方法での成功可能性
- 経済的な負担
- 家族や周囲のサポート体制
セカンドオピニオンを求めたり、家族とも相談したりして多角的な視点で検討すると良いでしょう。
自分の体と向き合い、リスクと利益を十分理解した上で、最善の選択をしてください。
まとめ
GLP-1ダイエットの危険性と安全対策について、重要なポイントをまとめます。
GLP-1ダイエットのリスクについて
- 高い減量効果が期待できる反面、吐き気・嘔吐、低血糖、膵炎など様々な副作用リスクがあります
- 安全性が完全に確立していない痩身目的での使用には十分な注意が必要です
絶対に避けるべきこと
- 個人輸入や医師の指導なしでの使用は厳禁です
- 偽薬混入や適切な対処不能などリスクが大きく、必ず医師の管理下で使用しましょう
副作用への対処
- 吐き気には用量調整・食事工夫・水分補給
- 低血糖にはブドウ糖摂取
- 重症時はすぐ医療機関を受診
GLP-1薬の使用不可
- 妊娠中・授乳中
- 未成年
- 膵炎歴や重い持病がある方
- 自身が安全に使える対象か医師と確認することが大切
安全に行うためのポイント
- 事前検査と診断
- 定期フォローアップ
- 用量の段階的調整
- 生活習慣の工夫
クリニック選び
- 専門知識のある医師
- 明確な料金体系
- 充実したサポート体制
他のダイエット方法の検討
- 従来の食事運動療法
- 他の医療ダイエット メリット・デメリットを比較し、自分に最適な方法を選択することが重要です。



もしGLP-1ダイエットを始めるのであれば、ぜひ信頼できる医療機関で専門医に相談してください。
副作用への不安や疑問は一人で抱えず医師に相談し、納得してから治療を受けましょう。
安全第一で進めれば、GLP-1ダイエットは強力な減量の助けになってくれるはずです。


QB CLINIC
編集部
経歴・詳細
総合病院で看護師として働いた後、美容医療の世界へ。現在はオンライン診療専門のQuic Beauty Clinicで患者さんと向き合いながら、正しい美容医療の情報をお伝えしています。
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