医師からルセフィを処方されたけれど、本当に血糖値は下がるの?
ダイエット効果はいつ頃から実感できるの?
このような疑問や不安を抱えていませんか?
しかし、医薬品である以上、適切な服用方法や副作用のリスクをしっかりと理解して使用することが大切です。
本記事では、ルセフィの作用メカニズムから具体的なダイエット効果の裏付け、正しい飲み方、注意すべき副作用まで、わかりやすく詳しく解説します。



SGLT2阻害薬ではなく、流行りのGLP-1受容体作動薬によるダイエットに興味がある方は、リベルサスが安いおすすめクリニックを紹介した記事も参考にしてください。


QB CLINIC 院長
鍵野 攻允(カギノ コウジ)
若くして脂肪吸引・豊胸専門美容クリニックの院長に抜擢され、現在も日々多くの手術をこなす現役ドクター。 慶應義塾大学病院をはじめ、複数の院での勤務経験を活かし、患者様のお悩みによって、オーダーメイドに治療を提供しております。
経歴・詳細
- 2021年3月日本医科大学医学部 卒業
- 2021年4月慶應義塾大学病院 入職
- 2023年5月QUIC BEAUTY CLINIC 院長
- 2024年12月一般社団法人医鍵会QUIC BEAUTY CLINIC院長
- アムルーズ美容外科
- 東京ブランシェクリニック
- BBクリニック銀座
- 藤ナチュレ美容クリニック
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 日本坑加齢医学会(JAAM) 正会員
- vaser認定医
ルセフィとは?SGLT2阻害薬の基本情報



SGLT2阻害薬であるルセフィの基本情報を解説していきます。
ルセフィの有効成分と作用機序
ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン水和物)は、大正製薬が開発したSGLT2阻害薬です。
この薬の特徴を理解するために、まずは作用メカニズムを見てみましょう。
私たちの腎臓には、血液中からろ過されたブドウ糖(グルコース)を再び血液中に戻すSGLT2という運び屋のような働きをするタンパク質があります。
この仕組みの優れた点は、インスリンの分泌に依存しないことです。



そのため、他の血糖降下薬と比較して低血糖を起こすリスクが低いとされています。
糖尿病患者さんにとって、低血糖の心配が少ないのは大きなメリットですね。
ルセフィの2型糖尿病治療薬としての位置づけ



ルセフィは2014年に2型糖尿病の治療薬として承認されました。
主に、食事療法や運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な患者さんに対して使用されています。



臨床試験の結果を見ると、その効果の高さがわかります。
12週間のプラセボ対照試験では、ルセフィ2.5mgを服用した患者さんのHbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を示す指標)が0.61%低下し、体重も約1.45kg減少しました。
ルセフィの剤型(錠剤・ODフィルム)
ルセフィには、患者さんの服薬状況に応じて選択できる2つの剤型があります。
一つは従来の錠剤タイプ(2.5mg・5mg)で、コップ1杯の水と一緒に服用します。



もう一つは、口腔内で溶けるODフィルム(2.5mg)です。
ODフィルムは舌の上に置くだけで唾液で溶け、水なしで服用できるため、外出先での服薬や、錠剤を飲み込むのが困難な方にとって非常に便利です。
どちらの剤型も1日1回の服用で24時間効果が持続するように設計されており、患者さんの生活スタイルに合わせて選択することができます。
ルセフィの効果|血糖降下とダイエット効果を解説



ルセフィの血糖降下とダイエット効果を解説していきます。
ルセフィの効果① 血糖値を下げる効果
ルセフィの主要な効果である血糖降下作用について詳しく見てみましょう。
ルセフィは、腎臓での糖の再吸収を抑制することで、余分な糖を尿中に排泄させて血糖値を下げます。



特に注目すべきは、インスリン分泌に依存しないメカニズムのため、単独使用時の低血糖リスクが低いことです。
ただし、他の血糖降下薬との併用時や、栄養状態が不良な場合には低血糖を起こす可能性があるため、医師の指導の下で注意深く使用する必要があります。
ルセフィの効果② 体重減少(ダイエット)効果
SGLT2阻害薬の大きな特徴の一つが、血糖コントロールと同時に体重減少効果が期待できることです。
ルセフィの作用により、1日あたり約60gの糖(約240kcal相当)が尿中に排出されます。
体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギーは約7,200kcalとされているため、理論上は約1ヶ月で体脂肪の燃焼につながる計算になります。



実際の臨床試験では、体重が平均1.45〜2.12kg減少し、52週間の長期試験では2.68kgの持続的な減量効果が報告されています。
このように、無理な食事制限をしなくても自然に体重減少が期待できるのは、患者さんにとって大きなメリットといえるでしょう。
ルセフィの効果③ HbA1c改善効果
血糖値の改善に伴い、HbA1cも着実に改善していきます。
24週間の臨床試験では、HbA1cが0.75%改善しただけでなく、腹囲の減少や内臓脂肪の指標であるアディポネクチンの増加も確認されました。
HbA1cの改善は通常3ヶ月程度で安定し、長期投与においても2.68kgの体重減少と共に血糖コントロールが維持されることが確認されています。
糖尿病治療において、このような持続的な効果が期待できるのは心強いですね。
ルセフィの効果はいつから実感できる?



ルセフィの効果はいつから実感できるのかについて解説していきます。
ルセフィの血糖降下効果の実感時期
ルセフィを飲み始めてから、いつ頃効果を実感できるの?
これは多くの患者さんが気になるポイントですね。
ルセフィの血糖降下効果は比較的早く現れます。
服用初日から尿中への糖排泄が始まり、数日以内に血糖値の改善を実感される方も少なくありません。
一方、HbA1cなどの長期指標の改善には時間を要します。
一般的に、治療効果の判定には最低3ヶ月の投与期間が必要とされています。焦らずに継続することが大切です。
ルセフィの体重減少効果の実感時期
体重減少効果については、一般的に服用開始から約4週間後に変化が目立ち始めるとされています。
これは、SGLT2阻害薬による1日240kcal程度のエネルギー排出が、体脂肪1kgに相当する7,200kcalの消費に約1ヶ月を要するという理論的な計算とも一致します。
多くの患者さんでは、3ヶ月後には体重減少が一定のレベルに達し、その後は緩やかに推移する傾向があります。



ただし、効果の現れ方には個人差があるため、数週間で変化を感じる方もいれば、もう少し時間がかかる方もいらっしゃいます。
継続的な服用と生活習慣の改善を心がけることが重要です。
ルセフィの効果の持続期間
ルセフィは血中濃度が4〜6時間で半分になっても、作用は24時間持続するように設計されています。
そのため、1日1回の服用で血糖降下効果が一日中続きます。



臨床的には、3ヶ月間投与しても効果が不十分な場合には、医師の判断により他の治療法への変更が検討されることもあります。
体重減少効果については、3ヶ月程度で安定し、その後は生活習慣や内臓脂肪減少の程度に応じて変化していきます。
長期的な効果を維持するためには、薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法との組み合わせが不可欠です。
ルセフィのダイエット効果の詳細



ルセフィのダイエット効果の詳細について解説していきます。
ルセフィのダイエット効果① 1日約240kcal相当の糖排出
ルセフィのダイエット効果のメカニズムを詳しく見てみましょう。
SGLT2阻害薬は、腎臓でグルコースと同時にナトリウムの再吸収も阻害するため、糖とナトリウムの両方の排出が増加します。
この作用により、1日60〜100gのグルコースが尿から排出され、240〜400kcalに相当するエネルギーが体外に失われます。
このエネルギー不足を補うために、体は蓄えられた脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。



つまり、特別な運動や厳しい食事制限をしなくても、自然に脂肪燃焼が促進されるのです。
ルセフィのダイエット効果② 臨床試験で確認された体重減少データ
ルセフィのダイエット効果は、複数の臨床試験で科学的に実証されています。
12週間の用量反応試験では、ルセフィ2.5mg投与群で体重が平均1.45kg減少し、5mg群では2.12kgの減少が確認されました。
24週間の試験では1.77kgの減少が報告され、さらに52週間の長期試験では2.68kgの減量効果が維持されています。
より長期間服用することで、内臓脂肪の減少やアディポネクチンの増加など、代謝改善効果も期待できることが示唆されています。
ルセフィのダイエット効果③ 内臓脂肪減少への効果
ルセフィのダイエット効果で特に注目すべきは、内臓脂肪への作用です。
24週間の臨床試験では、腹囲の平均減少とともに、アディポネクチン(脂肪細胞から分泌される善玉ホルモン)の増加が確認されました。
アディポネクチンは内臓脂肪の減少やインスリン感受性の向上と密接に関連しているため、ルセフィが単なる体重減少だけでなく、体質改善にも寄与する可能性があります。
ただし、高齢者では筋肉量の低下が起こる場合もあるため、適度な運動と栄養管理を併せて行うことが重要です。
ルセフィの正しい飲み方・服用方法



ルセフィの正しい飲み方・服用方法について解説していきます。
ルセフィの飲み方① 基本的な用法・用量(2.5mg→5mg)
ルセフィを安全かつ効果的に使用するために、正しい服用方法を理解しておきましょう。
通常、成人にはルセオグリフロジンとして2.5mgを1日1回、朝食前または朝食後に服用します。
効果が不十分な場合は、医師の判断により5mgに増量することがあります。



臨床試験では5mgと2.5mgの効果の差は小さいものの、血糖コントロールの改善により良い結果が期待できる場合に増量が検討されます。
用量の調整は必ず医師の指示に従って行い、自己判断での増量は絶対に避けてください。
患者さん一人ひとりの病状や体調に応じて最適な用量が決められています。
ルセフィの飲み方② 服用タイミング(朝食前・朝食後)
ルセフィの服用タイミングも効果的な治療のために重要なポイントです。



添付文書では朝食前または朝食後の服用が推奨されています。
なぜ朝なのかというと、夜間の服用では利尿作用により睡眠が妨げられたり、夜中にトイレに起きる回数が増えたりする可能性があるためです。
また、腎機能が低下している場合は十分な効果が得られないことがあります。
医師は定期的に腎機能をチェックしながら治療方針を決めていくため、指示された服用方法を守ることが大切です。
ルセフィの飲み方③ 飲み忘れた時の対処法
ルセフィを飲み忘れた時はどうすればよいでしょうか。



飲み忘れに気づいたら、思い出した時点で1回分を服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分はスキップして、次回分から通常通り服用してください。
飲み忘れを防ぐために、毎日同じタイミングで服用する習慣をつけたり、服薬管理アプリを利用したり、カレンダーにチェックしたりする工夫をおすすめします。
継続的な服用が治療効果を最大化します。
ルセフィの副作用と注意点



ルセフィの副作用と注意点について解説していきます。
ルセフィの主な副作用(脱水・低血糖・感染症)
ルセフィを安全に使用するために、起こり得る副作用について知っておきましょう。
最も一般的な副作用は、尿中に糖とナトリウムを排出することによる軽度の利尿作用です。
これにより、口の渇きや頻尿、軽度の脱水症状が起こることがあります。
清潔を保ち、気になる症状があれば早めに医師に相談することが大切です。
低血糖については、単独使用では比較的リスクは低いとされていますが、栄養不良状態や激しい運動、過度の飲酒が重なると低血糖を起こす可能性があります。
ルセフィの重篤な副作用(ケトアシドーシス・腎盂腎炎)
注意すべき重篤な副作用についても理解しておきましょう。



SGLT2阻害薬では、まれに血中ケトン体が上昇して糖尿病性ケトアシドーシスを発症することがあります。
特に食事摂取不良・過度な糖質制限・感染症・脱水が重なると危険性が高まります。
また、腎盂腎炎や敗血症、壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)などの重篤な感染症が報告されています。
発熱・腰痛・排尿時の痛み・会陰部の痛みや腫れなどの症状に注意し、異常を感じたら早期に受診することが重要です。
ルセフィを服用できない人・禁忌事項
以下の方はルセフィを服用することができません。
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の患者さん
- 重度の感染症や手術前後、重篤な外傷がある患者さん
- ルセフィの成分に過敏症の既往がある患者さん
- 重度の腎機能障害や透析中の末期腎不全の患者さん
- 妊婦または妊娠の可能性がある女性
また、栄養不良状態・不規則な食事摂取・激しい運動習慣・過度のアルコール摂取がある場合は、低血糖やケトアシドーシスのリスクが高くなるため、医師による慎重な判断が必要です。
ルセフィと他のSGLT2阻害薬との違い



ルセフィと他のSGLT2阻害薬との違いについて解説していきます。
ルセフィとフォシーガとの比較
同じSGLT2阻害薬でも、薬剤によって特徴が異なります。
フォシーガ(ダパグリフロジン)との違いを見てみましょう。



フォシーガは2型糖尿病の治療に加えて、慢性心不全や慢性腎臓病の治療適応も取得している点が大きな特徴です。
用量は5mg・10mgの錠剤のみで、ルセフィのようなODフィルム製剤はありません。
一方、ルセフィは現在のところ2型糖尿病のみが適応となっており、心臓や腎臓への保護効果についての適応はありません。
ルセフィとジャディアンスとの違い
ジャディアンス(エンパグリフロジン)も注目すべきSGLT2阻害薬の一つです。
ジャディアンスは2型糖尿病に加えて慢性心不全への適応を有しており、10mg錠と25mg錠が用意されています。
心不全治療では10mgを1日1回、糖尿病治療では最大25mgまで増量可能ですが、ルセフィの最大用量は5mgまでです。
ルセフィの適応症の違い
ここまで見てきたように、他のSGLT2阻害薬が心不全や腎臓病の治療にも使用されているのに対し、ルセフィの適応は2型糖尿病のみとなっています。
そのため、心臓や腎機能の保護を目的とする場合は、フォシーガやジャディアンスが選択されることが多いです。
医師は患者さんの病状や生活状況を総合的に判断して、最適な薬剤を選択しています。
ルセフィを安全に服用するためのポイント



ルセフィを安全に服用するためのポイントを解説していきます。
ルセフィ服用のポイント① 定期的な検査の重要性
ルセフィを安全かつ効果的に使用するために、定期的な検査は欠かせません。
医師は定期的に血糖値・HbA1c・腎機能(eGFR)などを検査し、治療効果と安全性を確認します。



医師は定期的に血糖値・HbA1c・腎機能(eGFR)などを検査し、治療効果と安全性を確認します。
また、利尿作用による脱水や血圧低下を防ぐため、十分な水分補給と体重管理が重要です。
口の渇きやめまい、立ちくらみなどの症状が現れた場合は、早めに医師に相談しましょう。
検査結果を通じて、治療方針の調整が行われます。
ルセフィ服用のポイント② 生活習慣との組み合わせ
薬の効果を最大化し、安全性を高めるためには、生活習慣の改善が不可欠です。
バランスの良い食事を規則正しく摂ることが大切です。
軽い有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで、筋肉量の維持と体重減少効果の向上が期待できます。
アルコールについては、低血糖や脱水のリスクを高める可能性があるため、適量を心がけてください。



医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った生活習慣を見つけていきましょう。
ルセフィ服用のポイント③ 医師の指導下での使用
ルセフィは処方薬であり、必ず医師の診察を受けて適切に使用する必要があります。
自己判断での用量調整や服用中止、他のダイエット薬との併用は、予期しない副作用を引き起こす可能性があります。



治療中に体調の変化や疑問を感じた時は、遠慮せずに医師に相談してください。
医師との良好なコミュニケーションが、安全で効果的な治療の基盤となります。
定期的な診察を受けながら、一緒に最適な治療法を見つけていきましょう。
まとめ
ルセフィは、腎臓のSGLT2を阻害することで血糖値を効果的に下げ、同時に1日約240kcalの糖を体外に排出するため、体重減少効果も期待できる2型糖尿病治療薬です。
効果の実感時期については、血糖改善は服用開始から数日以内に始まり、体重減少は4週間頃から実感しやすくなり、3ヶ月程度で効果が安定します。
一方で、脱水や尿路感染、ケトアシドーシスなどの副作用リスクや、腎盂腎炎などの重篤な感染症の報告もあるため、正しい服用方法と定期的な医学的管理が欠かせません。



他のSGLT2阻害薬と比較すると、ルセフィは適応が2型糖尿病に限定されているものの、錠剤とODフィルムの2つの剤型があり、最大5mgまでの用量調整が可能という特徴があります。
ルセフィの効果を最大限に活かし、安全に治療を継続するために、定期的な診察を受けながら医師と二人三脚で治療に取り組んでいきましょう。


QB CLINIC
編集部
経歴・詳細
総合病院で看護師として働いた後、美容医療の世界へ。現在はオンライン診療専門のQuic Beauty Clinicで患者さんと向き合いながら、正しい美容医療の情報をお伝えしています。
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